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”何をマネジメントするのか”が違う
SIerが犯しがちな過ちの一つは、通常のシステム開発と同じマネジメント方法論を新規事業にも適用することです。
そしてどうなるかというと、チームは疲弊してモチベーションを失い、最後には消滅します。
なんとも悲しいことですが、多くの企業、多くのプロジェクトが陥る悲劇です。
どうしてこうなるのか?
既存事業と同じルールでイノベーションを興そうとするのが間違いなのは、”何をマネジメントするのか”がそもそも違うからです。
既存事業はすでにビジネスモデルが成立しています。
マネジメントするのは、そのビジネスモデルに最適なバランスでリソースを配置すること。
答えはすでに決まっていますから、最適なソフト、最適なハード、最適な人材を調達し、最適な教育を施して、最適な条件で契約をしたプロジェクトを遂行します。
もちろん、最適な条件にも幅がありますので、その範囲内でということです。
いうなれば、目的地が分かっているドライブで、道を外れないようにチェックするようなものです。
しかし、新規事業の場合は、最適なリソースの配分を探すこと自体が仕事です。そのための試行錯誤を最も効果的に行えるようにするのがマネジメントの目的です。
できるだけ多くの試行錯誤ができるようにすること。そして、同じ数の試行錯誤であれば、最も確からしいケースを選ぶと言うマネジメントをしなければなりません。
そのためのタスクを洗い出し、そのための人を配置して、そのためにかかる時間とお金を工面するのが仕事です。
こちらのドライブでは、目的地を探し当てるために、できる限り効率よくそれらしい場所に行ってみることになります。
この2つはまったく違うものですよね。
さて、既存のプロジェクトマネジメント手法は前者のためのものです。
つまり、最適な配分から逸脱しないための管理手法です。
にもかかわらず、多くの企業では新規事業にも既存の手法が使われ、失敗してしまうわけです。
本当はあっちこっちに行ってみなけらばならないのに、道を外れないための管理手法を使うわけですから当然ですよね。
例えばプロジェクトマネジメント方法論にはPMBOKというものがあります。
PMBOKでは、以下の9つの項目を用いてマネジメントを行う方法論です。
1.統合
2.スコープ
3.タイム
4.コスト
5.品質
6.人的リソース
7.コミュニケーション
8.リスク
9.調達
さて、このPMBOKの方法論はやっぱり使えないのか?
というとそうではありません。
ただ、使い方を目的に応じて変えてやる必要があるわけです。
問題はルールではなく、その過剰適用です。
詳しくは、また次回以降。
■要点■
・新規事業に既存のプロジェクトマネジメント手法を適用すると失敗する。
■次のテーマ■
9つのマネジメント項目についての詳細。
(つづく)
コラム執筆: キャリッジウェイコンサルティング今井孝 : 2008年04月28日 22:51